よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

2018年4月のブログ記事

  •  新樹

                        🐇    白樺の新樹の風の透ける湖  多分この湖は白樺湖であろう。白樺は高山の日当たりの良い場所に自生する落葉喬木である。 五月頃、葉の出ぬ前に花を持つが、その新樹がまた透明な風を生む点景をなし、湖まで見透せる白樺ならでわの湖国の感懐を生んでくれる。 白樺... 続きをみる

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  •   海を見に

                🐇     受験子に乞はれて一と日海を見に 親になれば、みんな受験期の子供を抱え、一緒に気苦労をする日が続く。       🐇     家族一人受験終はれば減りにけり 懐かしいとも、楽しい記憶とも、昨日行った海だ昔の事を想い出した。 連休初日、ヨットが次々と瀬戸の海を辷... 続きをみる

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  •     朧の世

                 🐇     春炬燵朱肉に汚る納経所       🐇     遅桜はればれ仰ぐ結願寺       🐇     野の起伏遍路うねりとなり来たる       🐇     遍路杖持ち替へ接待いただきぬ       🐇     鐘おぼろお遍路杖を納めけり 捨てようと思い断... 続きをみる

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  •    麦の秋

              🐇     護送犯と乗り合ふ飛機や麦の秋 めったにない経験であろうか。 北海道の旅から帰る途中で出くわした。 飛行機の席が後ろに近かった。 まだ機の中に乗り込んでいる人はまばらの時、手錠をかけられた人が腰縄つきで乗ってきた。 前後を、警官であろう人にかたく守られていた。 後に... 続きをみる

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  •      藤の花

                 🐇     藤の花彫り師に似たる木偶の顔 二年前の句。 季語が動く。 阿波の木偶師の家は、藤の花を咲かせていた。 まさに今の季節。 阿波にはかって、坂東巳之助と云う、木偶の頭を彫る名人がいた。

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  •      桜の実

         🐇     桜の実捨てかねてゐる古日記 公園で桜の実を見つけた。 花は葉に、葉から実の季節に移ってゆく。 さ く ら、、、はまことに素晴らしい花の代表だ。 桜の実は、なぜか胸を刺す、柔らかく、、、そんな気で詠んだ。 古い日記は哀しい気持を記したつもりだけれど、懐かしく思える。

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  •   セ・ラヴィ

             🐇     まひるまの葉づれのさみし花楝 今は俳誌が届くと、後ろのページから開く癖がついている。 昭和63年のある俳誌が出てきた。 いつものように後ろからページを開いた。 私の名前は見当たらない。 それが、普通の投句欄では、ページをめくってゆくうちに、5句投句で4句選に。 同人... 続きをみる

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  •    風薫る

                   🐇     防塵服脱ぎ深呼吸風薫る 精密な電話局の機械室の、温度や湿度は年間を通じて一定に保たれていた。 機械室に入るには、防塵服の着用が義務づけられていた。 外に出た時の開放感は、何とも得難いものである。 腕を伸ばして、思いきり深呼吸をする。

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  • リラの花

               🐢    リラ匂ふ去年となにかが違ふ娘よ  もの愁いげな娘。 あきらかに去年と違う立ち居振る舞い。 巣だってゆく娘を親は黙ってみているしかない。

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  •   花筏

                           🐇    街川を遡る満ち汐花筏              故郷の桜の景。 無くなる家を想えば、この句を詠んだ時が甦る。

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  •      雉の声

               🐇     雉子啼く三門に古き千社札 里が見下ろせる山の寺。 裏山に雉が声を残して消えた。 三門には色々な千社札がたくさん貼られている。 中にはきれいどころのお姐さんと思える札もある。 一旦貼った札が剥がれないようみんな高い場所に貼るという努力をしている。

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  • 春寒

                            🐇     春寒し書棚せましと法律書 親しい友人の部屋に通された。 昔も今も勉強家。 書棚に並んだ法律の本。 頭脳明晰な官僚達の失敗が報じられている昨今。 何が人生に置いて 幸福 か、考えさせられる。

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  • 若葉風

                   🐇     コーヒーのミルク渦巻く若葉風 > さわやかな若葉風の選評が、、、 どこにでもあるような句。 私はコーヒーは余り飲まない。 夫は毎日、自分でコーヒーを淹れる。 このカップは夫の愛用。これもどこにでもあるカップのようだ。 趣味の和陶器の食器は、買うのが好きだ... 続きをみる

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  •      蕨刈り

             🐢     禁煙の夫出かけたる蕨刈 禁煙は努力がいるようだ。 どなたも禁煙パイプを咥えたり色々と、煙草を飲みたい衝動と戦っている。 気を紛らわすために蕨採りに出かけた男性。

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  •    囀り

              🐇     囀りや登り来し道霧に消ゆ 我が地方は霧、靄のよく発生するところ。 鶯の声を聞きながら小高い山にのぼる。 目を閉じていても登れる安全な山の道。 頂上に着いたときは、今登って来た径がミルク色の霧に消えていた。

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  •   軽鳬

               🐇      軽鳬の子ひょこひょこと石橋を 鴨の足は体に比べて足がとても大きい。水掻きが大きいってこと。 後ろから見ているとお尻をくりくりと、ひょこひょこと動かして歩く。 可愛い。 鴨の子供、カルガモだともっと可愛い。 見ていて飽きない。 母の後ろを子供が必死で追って石橋を... 続きをみる

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  • 桃の花

                       🐇     段畑の互い違いに桃・杏 我が家は坂の途中に家がある。 下から我が家へ戻る途中は道の片側は段々畑になっている。 下から、野菜を植えている畑 次は杏、蜜柑が植わっている畑 上段は果樹園になっていて、梅、桃、枇杷などが植わっている。 今が、一番美しい季... 続きをみる

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  •     屋根に枕を干していた

                             🐇     遍路宿あたたか屋根に枕干し とある遍路宿の屋根に、幾つも枕を並べて干していた。 艱難辛苦の遍路の皆さんに明日も元気で歩いて下さい。気持ちの良い枕に頭をうずめ、又、明日も遍路行脚を続けて下さいと心がこもっている景であった。

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  •     梅林

                   🐇     梅林や不意に山羊曳く人現れる > 静かな梅園の景を楽しんでいるところへ不意に山羊を曳いた人が現われ、突然のその取り合わせに驚いたものの、その驚きが詩につながって生まれた一句である。 詩とは発見であると虚子は教えている。 有難く優しく選評を書いて下さった。... 続きをみる

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  •     椿

               🐢     この径もうすぐ椿のトンネルに 椿のトンネルはあちこちにある。 最も印象深かったのは足摺岬の椿のトンネル。 眼下に太平洋を望む、岬は椿が咲いている。 潮鳴りも聞こえてくる。 椿の種類は大変に多い。 今年も珍しい椿を何度も見た。初めての黒い椿もそのうちの一つだ。  ... 続きをみる

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  •      花

          逆光でこんな景に。 日輪が花をつつんで、おごそかに見えた。     🌸     渓深く魑魅とび交ふ花の宿 昔、花の吉野山で泊まった時に感じた思いを句にした。 渓が深く、真っ暗のそう闇の谿が、眼下のお宿であった。 歴史に登場をする、英雄の声や悲恋の皇子などが魑魅魍魎となって今もいるよう... 続きをみる

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  • 春愁い

        気が多い? 気分家。 ずいぶんこのページから遠ざかった。 いい句が出来なかった。 そして、ケセラ・セラ  その日に気分で詠む気がおこらなければ、それもその日まかせ。 老いたら、あせることも無い。その日が良ければと悟り?達観をしている。      🐇    春愁や合わせ鏡のぼんやりと

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