よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

  コスモス

     


     🐇     コスモスの海に泳ぐ子とがめまじ


 昨今は、コスモスが一面に咲いている畑をよく見かけるようになった。
30年も昔 猪鍋を阿波の山奧に食べに行った。
山の頂に広いコスモス畑があって大変驚いた。
風に吹かれるコスモスが、まるで海に見えた。
子供や娘さんが、広いコスモスの畑に両手で波をかき分けるように歓声をあげながら、奧へ奧へと入っていった。
まるで泳いでいるようであった。


   芙蓉

        


       🐢     芙蓉咲くたらちねいつもちびた下駄


 母も夫の母(姑)も一生を着物姿でおくった。
子供にはちゃんとした格好をさせても、いつも下駄は草履のように 歯 が無くなるまで履いていた。


 母を思う度 白い割烹着姿がいつも目にうかぶ。白い芙蓉のように清々しかった。    

   子供にも解る句

    


    🐢   口中に記憶の生るる砂糖黍  


  @記憶生るる。「あるる」、という読み方は俳人にしかわからない。できるだけ避ける。


今回 特選に入った句。
しかし 先生の @の入ったご指摘。
いつも、平明で易しい句を作れとおっしゃる。
この「生るる」こそ、レトリックめいた、技巧といえばオオバーかも知れないけれど、そういった意味のご指摘だと気が付いた。


                 

       (砂糖黍から三本糖を作る道具)


 お隣の町にある 和三盆糖を作っている工場を訪ねた。
工場の裏手に 砂糖黍畑があり、子供の時の記憶が色々と甦った。
吟行は良い。やはり吟行に出かけなくては出逢いが生まれない。 

    韮野の花

     


     🐇    韮の花菜園は猫の額ほど


 韮は好き。
餃子に入れたり オムレツ に使用をしたり ちょっと菜園の隅に植えておくと便利である。
ちょうど今の季節に真白い花が咲く。
線香花火が、はぢけたような花と思いつつ見る。


 色々な野菜の花が咲く。その中で よく似た 韮の花 と らっきょうの花。
薄紫のらっきょうの花が咲き満る畑も、通りかかるといつも足を止める。


 


病院

       

           (病室から見た夕虹)


      🐢     半身麻酔花火散つたり揚がつたり


 心臓を広げる検査や手術をする時は 半身麻酔をする。
手術中に 血管の中の芥が もし 脳の血管にとんだ時 脳梗塞を起こすかもしれぬ。
その時点はどの血管を検査中だったか、医師が把握をするため、患者には手術中に、何度か声をかけて、意識を確かめる。
全身に麻酔をしておれば不測の事態をたしかめることができぬからだと言う。
そのため医師は幾度とはなしに、私に様子を訪ねたり、今はこんな事をやっていす、、、と説明をして下さる。


いつも 手術台にのぼると、BGMを聴いたり、俳句を考えていた。
半身麻酔であるから、身体の痛みはないけれど、頭は働いている。
目を閉じていると、ガリガリと変な音がしたりはするが、暗い眸の中、闇の中に花火が散ったような光、そして 星のような煌めきが見える気がする。
俳句を作っていると、嫌な時間が経つのが早い。


それを手術中に句に詠んだ。


      🐢    無機質な手術室なり亀よ鳴け


そんな句も、、、


点滴の向うに何かが見える。云々。。。。
麻酔から覚めると青空、、、、 虹 入道雲 鳶の舞い、、
このような 正直な気持ちが病人には一番の感想と思うし、自分も点滴の落ちるのを見ていると早く終わらないかなぞと考える。
もう一歩踏み込んだ句でなければ、我が師には通じない。
やっと拾った 入院の句である。