よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

     枸杞の実

                  


      🐢     枸杞の実の日向くさきを摘みにけり


 「 今月の師の言葉 」


> 俳句の世界に上手な句を作る人は掃いて捨てるほどいるが、いい句を作る人はほんとうに少ない。その理由を考えてみると、誰も俳句の上手になることばかり焦って、自分の中の声に気づかないからである。


> あたりを見回すと、俳句のハウツーものばかりで、上手な句を助長する風潮がある。上手な句なんてファッションモデルの視線のように空虚な句ばかりなのに。


> 俳人にかぎらず人間が自分の声に気づかないのは、もっと根本的な理由がある。人間は赤ん坊のときから人間、とくに母親に育てられるが、その過程で人間としての考え方を徹底的に叩きこまれる。


>そうでないと問題の多い人が育ってしまうのだが、この教育によって多くの人間は自分の声が聞こえなくなってしまう.


> 誰もが人に褒められる上手な句を作ることに一生懸命になり、句会になると、そんな空虚な句を競って選ぼうとする。その結果、句会の互選はまるで人気投票になってしまうのだ。ほんとうは言葉の向こうからその人の声の聞こえる句を選ぶべきなのに。


 
上手な句を作ることもできぬし、そんなことはとっくの昔から望むべきも無い私の力。


素直に詠むことをこころがけている。

   素晴らしい彫刻公園

             


       🐇     石を切る音泡立ち草の枯れすすむ


  写真は小高い山の頂にある彫刻を展示している公園。
私が行った時はあいにくの曇り空で、瀬戸内海がぼーっと霞んでしか見えなかった。
晴れていれば素晴らしい瀬戸内海が望める。
もう一度と思いつつ、一年以上も過ぎてしまった。


道が狭く片側は崖。高所恐怖症の夫を頼りの車での行き来は頼みにくいのが理由の一番。


ここへ来る途中、石の町を通る。
泡立ち草が枯れてかけていた。


  ( イサム・ノグチの石の博物館のある街。又、流政之氏のアトリエもある。)

    小春

      


      🐢     甘酒に酢のとほりたる小春かな


 最近は甘酒も買うようになった。年がら年中店頭に並んでいる。


昔は秋になると母が甘酒を作っていた。
酢がとおり、少し辛くなった甘酒が好きであった。

     秋出水

       


        🐇     旅先の夫とぢこめし秋出水


 ニュースを聞いていると、北海道の登別が記録的豪雨に襲われていると告げていた。
思い出したこの句。
もう何十年も前の事、北海道を旅行中の夫が登別温泉で宿泊をしていた時、秋出水に出くわした。


朝、目が覚めると、ホテルの窓から見える景色が一変をしていたそうだ。
眼下の五階建ての病院が三階まで浸水をしている。
かの有名な混浴の露天湯があるホテルが水に浸かっている。
私も登別温泉には行ったことがあるので、水害の見舞われた登別の景色が想像できた。
夫の旅行の行程はくずれた。ほうほうの程で帰ってからも、今も時々あの時の凄まじい自然の脅威を語る。


その登別が、昨夜のニュースで避難勧告を告げていた。
今年の北海道に及ばず日本列島の災害。
いつ我が身辺に起こっても不思議ではない。

      今朝の秋

     


        🐇     手紙落つポストの余韻今朝の秋   


        🐇     古本の裏の女名黴匂ふ


        🐇     堀だしの「それいゆ」灯火親しけり


 
 哀しいかな!さらさらと頭の中を風が吹く。
さらさらとは水の流れる音によく使うが、脳細胞を壊してゆく風がこれも私の中ではさらさらと感じるのである。
突風でも爆風でもなく、素風とも言い難く、、、、、