よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

    鉦叩

        


     🐢    鉦叩ひとりで聞くはさびしすぎ


 チンチンと草むらで鉦叩きが鳴いている。
決して、集まって鳴く虫ではない。それでいて存在感のある鳴き声である。


 犬の事をすぐ想い出す。
散歩の途中、鉦叩きの音に耳をすましていると、犬は私の足元に座って
「かあさん、どうしたの?」と私を見上げて静かに待っていてくれた。
どうして母さんはこんな淋しい山の辺の道で立ち止まっているんだろう?と小首をかしげたビクターの犬のように。