よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

2018年9月のブログ記事

  •      秋出水

                    🐇     旅先の夫とぢこめし秋出水  ニュースを聞いていると、北海道の登別が記録的豪雨に襲われていると告げていた。 思い出したこの句。 もう何十年も前の事、北海道を旅行中の夫が登別温泉で宿泊をしていた時、秋出水に出くわした。 朝、目が覚めると、ホテルの窓から見え... 続きをみる

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  •       今朝の秋

                  🐇     手紙落つポストの余韻今朝の秋            🐇     古本の裏の女名黴匂ふ         🐇     堀だしの「それいゆ」灯火親しけり    哀しいかな!さらさらと頭の中を風が吹く。 さらさらとは水の流れる音によく使うが、脳細胞を壊してゆく... 続きをみる

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  •      秋の暮れ

                🐇      秋興の黄昏ごころ烏啼く                   秋の夕べはことに寂しい。 夫と一日、野に出て遊んだ。 帰りの途についた頃は西には夕焼け。 たまらない寂しさ。隣に運転をする伴侶がいて安心をした。                   🐇     穂... 続きをみる

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  •      萩の寺

                                    🐇      帚供ふはきだめ地蔵萩こぼる         🐇      魚鼓を打つ照顧脚下の萩の寺  平成元年の句誌から見つけた。 ちょうど萩の季節におとなった故郷の禅の寺。 塵ひとつ無き庭に佇つと身がひきしまる思いがする。

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  •    NHKの番組 一品  (大谷焼き)

                        🐇     秋暑し猫の出でくる休窯         🐇     六尺甕並ぶ陶園蓮は実に         🐇     鶏頭やうす紅おびる素陶干す         🐇     登り窯そびらに小鳥来てをりぬ         🐇     陶器市のぞゐてゆき... 続きをみる

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  •       夜光虫

             🐇     夜光虫ニンフ踊つてをりにけり       🐇     夜光虫悩み何でもなつてきし  とある島で遊んだ一夜。 宿を10メートルも歩くと夜光虫が泳いでいる海が。 神秘的な美しい海に感激をした。      (昭和63年)

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  •     暑い

                      🐇     暑いけんまあ休まんでと旦那僧  久方ぶりに、故郷の旦那寺を訪れた。 庭で草を抜いていた、顔見しりのご住職に「暑いけん休まんで」と声をかけていただいた。 「ア ツ イ ケ ン」阿波言葉である。 この寺でこの句。 俳句はいいな~。 日記より鮮明に情景を... 続きをみる

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  •      落し文   🍃

                                     🐢     落し文枯葉の色になつてをり  とある島の神社の頂に登る途中に見つけた落し文。 記憶に残る島の神社。これが俳句のよいところ。 隠れた奧の真実を見いだせず、掘り返すことができない浅い私の句作。 固くなった頭からは、平常な日... 続きをみる

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  •      溝浚へ

                        🐢     上天気梅干し喰ふて溝浚へ  町内会の溝浚え、六月頃か、、 梅雨晴れ間をぬって町内会の溝浚えがあった。勿論、参加は夫。 朝は梅干しを食し、暑さに負けないように、いざ出陣の気分で出かけて行った。 少し月遅れの句だが、この季節まで温存をしておくと、来... 続きをみる

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  •      田舎は季語が転がっている

                      🐇     掘り尽したる芋畑の地鎮祭  堀り尽くされて、まだ粗々しい土跡の残る芋畑に地鎮祭が行われている。 多分開発による宅地造成かもしれないが、設けられた神籬に白い幣がひるがえり、神官のおごそかな祝詞が奉せられなど、粗々しい畑と対照的な神事の景が感じられる句... 続きをみる

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  •     色なき風

                             🐇      絵馬の鈴色なき風の鳴らしけり 願い事を書いた絵馬を吊る場所はどこの神社にも設えられている。 おだやかな秋の一日。風も無いのに絵馬の鈴が鳴った。 又、風の強い日、絵馬どうしが触れあってカタカタ コトコト カタカタ と忙しく、まるで木琴... 続きをみる

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  •      落し水

                     🐇     落しをる寺領の水や光堂       🐇     県境の猿坂峠水落す       🐇     落し水畦道抜けて島札所       🐇     水落とす田に弁慶の投げし巌       🐇     遥か見ゆ足摺岬水落とす 説明句ばかり。 せっかく俳... 続きをみる

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  •     アメリカン朴の実  

                      🐢     朴の実の色づくは未だ先のやう 2016年に投句をして選にかかった句。 昨日は公園へ朴の実を見に行った。 まさに、この朴の木で詠んだ句。 平明で、てらいのない省略というより、素直に心情を現した句と自分でもこの句を読んでいて、初心に戻らなければという思... 続きをみる

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  •      栗おこわ

                        🐢     快気してなにはともあれ栗おこわ  山道を行くと毬栗が落ちていた。 昨日の颱風で落ちたのだろう、いつもは毬の中に栗は入ってない虚栗ばかりだが、実が入らない青いまま、辺り一面に落ちていた。 湯気のたっている赤飯の中から栗が飛び出す、栗おこわは大好き... 続きをみる

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  • 不知火

                           🐇     不知火やナーガールジュナは蛇の神        🐇     不知火や無人の舟に櫂の音        🐇     不知火や静かに寝ろよ子盗くる   自分も不知火は見たことが無い。 八代海と有明海の沖に旧歴八月一日前後の深夜に無数の火が明... 続きをみる

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  •       猿の腰掛

                     🐇     猿の腰掛ひなが谺と話をり        🐇     猿の腰掛ときをり名しらぬ鳥が来る        🐇     猿の腰掛コロボックルが座りをり        🐇     猿の腰掛空のかなしび喰ひ太る  写真は石鎚山。 石鎚にある裸木を想像して詠... 続きをみる

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