布袋草が咲いていた。
八栗山へ登るケーブルカーの駅の前にある源氏池。
うす紫の淡い色で咲いている。
今まで、どこで見たより、きれいな布袋草であった。
今日たまたま、見たこと。
カーブルカーの駅前に 蕎麦処 がある。
昼の食事時間であった。
おばたりあんが、蕎麦屋の前に車を乗りつけた。
(私も負けず おばたりあんである。)
店の前に車を止めた。
店の中から、人が飛び出して来て
「ここは、車椅子の方も出這入りしますから、駐車場に車を止めてもらえませんか」
と、声が聞こえてきた。
「うゥん もうー 」
と声がした。
見たところ、高価に見える洋服を着ている。友達であろうか二人連れ。
それなりの生活レベルの人のようである。
駐車場は、蕎麦屋にもあるし、もし満杯でも、ケーブルカーの駅の駐車場は広々としていて、どこへでも止めることができる。
「うゥん もうー」
なにが、面倒だ。ほんの数十歩の距離ではないか。
ああ、いやだ。私も日常生活でいかにも「おばたりあん」みたいな行動をしているかもしれない。
人の振り見て我が振り直せ これだ。
ケーブルカーで八栗山へお参りに。
いつもだと、参拝道を三十分くらい杖をついて登るのだけれど、暑いものだから、ケーブルで。
開いた窓から涼しい風は入ってくる。