ないしょごと猫に聞かせる夏の月
その時は気が付かなかったけれど。
慎ちゃんにもこんな元気な時があったんだ。皆、みんな幸福であった。
小豆島のホテルの裏庭。
そのままゴルフ場に通じている。
2009年の三月。
水仙の花が咲いていた。
☔ おもかげや梅雨なれば梅雨の想い出
☔ 野良犬に餌を用意する夏の夕
な子も前後して同じフイルムに収まっている。
な子も若い。
☔ 老猫の野ぶとき声や梅雨籠り
毛なみも今に比べてふさふさしている。
この頃は声も若かった。可愛いかった。
齢が重なると猫の声を文字にすると濁点になる。
☔ 梅雨曇人見しりする猫隠れ
☔ 半分を猫に食べられ水羊羹
アイスクリームやケーキ、甘い物が好き。
☔ 梔子の咲く庭猫が三四匹
☔ 半夏生濡れ縁に猫のびてをり
☔ 明易し目覚まし代わりの猫の声
☔ 猫の目の奥に吾ゐる夏の星
今日の頭の体操。
今の季節、夕方を待って 慎 を散歩に連れて行った。
スコットランドが故郷の 慎 は暑さが事の苦手だった。
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