あんなことこんなこと靑柿に
靑柿の実
松江の、ある場所で、北海道の人と一緒になった。
この柿の実を見て、これは何かと尋ねられた。
「柿の実」
と答えると
「初めて見ました」
と言った。
柿の北限はどこであろうか。
北海道では柿は成らない。
その頃、私は
「ナナカマド」
を見たことも無かったし、名前すら知らなかった。
四国では、余り見かけない。
狭い日本でも、所がかわれば、知らないことが多い。
俳句の大会があり、見知らぬ街へ行って初めて食べるものもあった。
青森へ行って
「ほや」
を食べたのも、俳句の会であった。
「クルミ」
を見たのも、青森であった。
今でこそ「豚足」なぞ、どこででも普通に食べるけれど、四十年ほど前に沖縄で「豚の耳」と「豚足」を始めて食べた。
色んなことを青柿の実から、思い出した。
⁂ ななかまど大きな雲の通りけり 藤田あけ烏
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