よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

春の水



春水。水の春。
冬は枯れていたり凍っていた水が、春のおとずれとともに水嵩が増して勢いよく流れ始める。水量、勢いに、ほとぼしる生命感があむれる。


    ☆    春の水とは濡れているみずのこと    長谷川櫂


> 濡れ濡れと水面が照り耀いているのが春の水の本質。
              (日本の歳時記)より


最初に、この句を読んだときは、しっかりと意味を解することができなかった。
正直に難しい句と思った。
何度も、何度も機会のあるごとに口の中でこの句をころがしているうちにうすらぼんやりと、そうだ春の水は立っている、動いている、躍動をしている、こぞりて前に進もう流れに乗ろうとしているような情景が見えるような気がしはじめた。



     🐢    春の水一筋蓮田動き初め     葉七子


蓮田に一筋の水の流れを発見した。
ちょろちょとと音をたてている。
栗林公園での吟行でさずかった。
小流れの川と蓮田は道を隔て隣あっている。川は青い空を反射してキラキラと光りながら、流れていた。


     ★    真っ青な春水を張る蓮田かな