よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

十薬の咲く藩侯の下屋敷

公園の石垣に十薬の花が咲いているのを見つけた。

今日はこの写真で頭の体操。

十薬は決して、名園などには似合わぬ、寂しい花である。

しかし、どこでも見かける花。白が清々しい色をしている。

近くに寄って手折りでもしたものなら、臭い匂いが指に移っていつまでも残る。


   💌   十薬や二つ三つ罪誰も持つ


   💌   毛氈の端に十薬や茶碗置く

   

   💌   竹笊に十薬干してひとり棲む


昨日、写真を撮った後、四苦八苦をし、頭をひねったが、一句もつくれなかった。

今朝は何だって。

色々な記憶の底から甦る景が句になった。

室町を散策。早くも枇杷が熟れていた。

ちぎって、食するには、まだか。

  

   💌   室町の名を遺す町枇杷熟るる


   💌   門固く閉めし町並風死せり


   💌   枇杷の実や路地吹く風の薄みどり 


   💌   墓所へゆく片陰続く御成道


 


    💌   病葉の生き生き流る疏水かな

  

    💌   かたまって病葉の散る水の上