よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

ニッキ水

    


    🐇     子供巡礼母の袖ひくニッキ水


  昨日結願の寺の門前の土産物屋で見かけた。
筧を落ちる冷たい水に ラムネを冷やしていた。
涼しそうな 青楓を水に浮かべて冷やした ラムネ に喉をうるおす人もいる。


> 句は何年か前、とある札所で見かけた景を詠んだ。
三年生か四年生くらいの男の子を連れた親子の遍路がいた。
境内で 水に浸したニッキ水を売っていた。
子供が母の袖をひいて、ニッキ水が欲しいとおねだりをしている様子だ。
この日はウイクーデイ。本来なら、学校のある日だろうと思いながら見ていた。
母は子供にニッキ水を買って与えた。
にこにことした子供の表情が今でも目に浮かぶ。


遍路は色々の事情がある。健康な人も自分探しの人達も、悩みを抱えてゆきくれている人も、心の中に踏み込むとやりきれないないから、どのお遍路さんにも、感情をもたなく傍観者でいつも接している。


この親子遍路が印象にいつまでも残るのは、優しくありながら寂しそうな母の顔と嬉しそうな子供の顔の対比である。