野良ちゃん
かわいそうな、野良ちゃん。
猪を獲る罠にでもかかったのか、片足が無い。
人間には絶対近づかぬ。
以前は三匹がかたまって移動をしていたが、今は一匹になっている。
三匹のときは、遠巻きに、吠えていて、出合うと恐わかった。
いつの間にか一匹になっている。
二匹は罠にかかったのかも知れないし、老衰で死んだのかも判らない。
残った一匹にいつからか、餌をやるようになった。
パンを手に持って、傍へ引き寄せようと何度も試みたけれど、決して近寄らない。
霧の朝、風景を撮ろうと外にでて、犬が遠くから、こちらを見ているのに気付きシャターを押した。じっくりと観察したのは、この写真だけ。
中型よりは大きい。大型犬ともゆかない。いつもびっこをひいて歩いている。
近所には、犬が嫌いな人も沢山いる。
我が家が餌をやっていると、判ると何を云われるかわからない。
日がくれると、犬がいるこの場所の、木の下へ餌を入れた容器を置きに行き、翌朝、容器を取に行く。
昼間は烏が餌を狙っているから、犬はいつも奪われる。
空ぽになっている。きれいに平らげている。
私達夫婦が餌をくれているのは、わかっているみたいだ。
遠くから私達を見ると低い声で
「ウゥゥ~~」「オォォ~~」と声をあげる。
「今日は」と挨拶をしていると、おめでた夫婦は思っている。
今朝は、夫が容器を取に行くと容器が亡くなっていた。
烏が巣を作るのに咥えていったのかも?
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