よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

若布刈る

             

若布刈。若布刈舟。       ( 鳴門海峡  土佐泊付近  )


冬の季語。
もう最盛のシーズンは過ぎた?今が盛りか? 
鳴門の土佐泊の辺りの海岸では布刈舟が沖から帰ってくる風景をみることができる。
港では大きな釜がぐらぐらと煮たっていて、舟から降ろされた若布を釜の中に入れる。
美しい緑色に茹で上がった若布を砂浜に干す。


よく訪れた鳴門の浜辺での風物詩であった。二十年前もの頃。


    ☆    若布干す香にむせびけり土佐泊    水原秋櫻子


    🐢    巨大船通過予報や若布干す    葉七子


夫の転勤で高松へ来て驚いたことは「巨大船の通過予報」がラジオから聞こえてきたこと。
昨今は聞かなくなったが、ちょうど今時分。
巨大船が通ると、大きな激しい澪で小舟は揺れるだろうと想像をした。
若布を刈っている小舟はどうであろうか>
箱眼鏡や長い鎌は、、、、、。

鳥曇

                           

鳥曇。鳥風。
雁、鴨などの渡り鳥が春になって北の方に帰って行く頃の曇り空のこと。
この頃の風を鳥風という。


  🐢    鳥くもり入り江に泊まる日本丸    葉七子


小豆島への旅。
日本丸が帆を降ろして停泊をしていた。


慎 を連れての旅であった。
ホテルで一緒の部屋に泊まる。
この顔の憂いを含んだ慎。
我々のベッドの下へ来て 喜んでいたのに、この顔からは想像がしがたい。

日脚伸ぶ

冬至を過ぎれば昼の時間は少しづつ伸びてゆく。
その実感から、春の近づくよろこびがわいてくる。


    ☆    母に杖三本ありて日脚伸ぶ    岩月通子


> さて眼鏡を何個も持っているのはよくわかる。
みんなおしゃれ眼鏡などを何個も持っている。
杖を三本が面白い。



    🐢    日脚伸ぶ鏝絵の恵比寿大黒天    葉七子


    💐    日脚伸ぶ気づけば遠く来てをりぬ

春愁


春愁。春かなし。春思。春怨。


そこはかとない哀愁、春ゆえの気だるさを伴う憂鬱な感覚。
主観的な思いが、、、


   ☆   共に春愁茶碗二つに茶の冷めて     林 翔


> 解決が思い浮かばない、夫婦か恋人か友人か?
お茶がさめても、時間がたつばかり、ため息が聞こえてきそうな場面だ。



   🐢   春愁や舌かみさうな病の名     葉七子


目が見えなくなって、眼科へ。
病名を告げられても、初めて聞く名前で、一度では覚えられない。
医師がメモをしてくれる。難病指定の内からきた病気。
明後日、半年に一度の定期健診で医大に。
変化がなければ良しとしなければ。





卒業期


卒業生。卒業式。卒業期。卒業歌。


小学校から、大学まで、卒業式の行われる頃。
寂しい卒業と同時に、新しい環境へ、期待と不安がある。


      ☆     まつ先に光だしけり春の水


      ☆     古草や小道に沿ひて六地蔵


      ☆     曇る窓にさよならと書き卒業す