「名の木枯る」と云う季語がある。
一目でわかる特徴のある木の名前は「名の木枯る」の中でも上に木の名前をつけて、「欅枯る」「銀杏枯る」「枯柳」と季語としている。
白峰寺から 崇徳御陵へつづく径に、この枯れた銀杏の大樹があった。
☆ 銀杏枯れ星座は鎖曳きにけり 大峰あきら
>「日本の歳時記」より
夜でも樹形の明らかな枯銀杏。星座がくっきりと現れ、それらがつながって見えてくる。華やかな冬の夜空である。
崇徳上皇の雲居御所での生活は語って、伝えて余りあるものがある。
迷信や伝説を思い浮かべながらこの径を歩くと、暗い気持ちになってくる。
相当な樹齢の銀杏であるから、上皇さまも、西行法師も見た?と銀杏の生きた年数をつまびらかにしてしまうより、ロマンがあってよいようだ。
白峰の山頂の雲居御所の辺だから、上に銀杏大樹を覆うものや、遮るものは無い。
雲のみが、梢を渡ってゆく。空に向かっている枯銀杏である。
💌 枯銀杏大きな雲の近づきぬ