よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

冬凪

                         (垂水の岬)


高松市から坂出へ行く通称、大越街道に 川島猛美術館 がある。
そこの六階の窓から海を見る。
垂水町の小さい岬だと思う。
瀬戸大橋の見える反対側をカメラで覗いていて、こんな景を捉えた。
海の中に鳥居がある。
崖の下。今は満潮で沈んでいるようであるが、潮が引いたとしても、歩いて行ける場所ではないようである。
鳥居は何時、どなたがと考える。
推して知るべし、漁師さん達の信仰のものであろう。
それ以上の謂われとか、色々と里の人に聞けば判明をすると思うけれど、いつもドライブをしていて気がつかなかった物を見つけた驚きが先にたち楽しくもあった。


    ☆   冬凪げる瀬戸の比売宮ふしをがみ    杉田久女


冬凪とは、冬の波の穏やかな状態をいう。
小春のように、釣りや浜辺で遊ぶこともできる。
しかし冬の海は何時、荒れる海になるかも、その間に賜る一時のおだやかな海はうれしいことだ。
> 久女さんが、ひめさまをお祀りする宮で敬虔なお祈りを奉げた一句。
不幸な晩年だった久女のイメージは巨怪な虚子が定着させたと私は少なからず思っている。


    💌    冬凪や弛むだままの舫綱


    💌    冬凪や真珠のやうなブイの玉


             💌    冬凪げる睦んでをりぬ魚や貝