よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

     秋の暮れ

  

   
     🐇      秋興の黄昏ごころ烏啼く
                
 秋の夕べはことに寂しい。
夫と一日、野に出て遊んだ。
帰りの途についた頃は西には夕焼け。
たまらない寂しさ。隣に運転をする伴侶がいて安心をした。


        

   
     🐇     穂芒に風の起伏のありにけり
                       (平成6年)
 しかし最近は、生かされていると実感をすることが、とみにあり、有難いことだと思うことしばしば。

     萩の寺

                     

          🐇      帚供ふはきだめ地蔵萩こぼる


        🐇      魚鼓を打つ照顧脚下の萩の寺



 平成元年の句誌から見つけた。
ちょうど萩の季節におとなった故郷の禅の寺。
塵ひとつ無き庭に佇つと身がひきしまる思いがする。

   NHKの番組 一品  (大谷焼き)

           


        🐇     秋暑し猫の出でくる休窯


        🐇     六尺甕並ぶ陶園蓮は実に


        🐇     鶏頭やうす紅おびる素陶干す


        🐇     登り窯そびらに小鳥来てをりぬ


        🐇     陶器市のぞゐてゆきぬ秋遍路
                     (平成3年)


NHKの番組の「一品」を観た。
最近の食器で鳴門の大谷焼きで製造をされている一品の紹介であった。


大谷焼きの窯元は好きな吟行地である。
阿波へお墓詣りに行くと、たまに夫に頼んで遠回りをして、ここへ寄ってもらう。
そして、たまに俳句も拾うことがある。


ここに限らず、陶器工房を訪れると、記念に何か食器を買うことと決めている。


一品で紹介された、乳白色の丸いお皿やコップ、藍色のお皿もすでに愛用をしている。
そして、どんぶりはうどんやラーメンに使用、ささやかな食卓を好きな食器で、、、
貧しい食卓だけれど、食器だけは選りすぐりの物を各地の旅の想い出と共に暮らしの一部として楽しんでいる。

      夜光虫

   


     🐇     夜光虫ニンフ踊つてをりにけり


      🐇     夜光虫悩み何でもなつてきし


 とある島で遊んだ一夜。
宿を10メートルも歩くと夜光虫が泳いでいる海が。
神秘的な美しい海に感激をした。
     (昭和63年)

    暑い

          


       🐇     暑いけんまあ休まんでと旦那僧


 久方ぶりに、故郷の旦那寺を訪れた。
庭で草を抜いていた、顔見しりのご住職に「暑いけん休まんで」と声をかけていただいた。
「ア ツ イ ケ ン」阿波言葉である。
この寺でこの句。
俳句はいいな~。
日記より鮮明に情景を想い出すことができる。