よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

     田舎は季語が転がっている

          


       🐇     掘り尽したる芋畑の地鎮祭


 堀り尽くされて、まだ粗々しい土跡の残る芋畑に地鎮祭が行われている。
多分開発による宅地造成かもしれないが、設けられた神籬に白い幣がひるがえり、神官のおごそかな祝詞が奉せられなど、粗々しい畑と対照的な神事の景が感じられる句である。
                    (昭和六十年)


田舎に住んでいて良かったと思う時は、季語があらゆる場所に転がっている事が俳句愛好者にとってはまず一番にあげられる。
選者のあたたかい見守りで育てられ、整理をして捨てようと思った俳誌からこの句を見つけた時は、誰からも、大切にされすぎ、それが重荷になった頃であった。


しかし、昔も今も田舎に住む幸せをかみしめている。