よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

病院

       

           (病室から見た夕虹)


      🐢     半身麻酔花火散つたり揚がつたり


 心臓を広げる検査や手術をする時は 半身麻酔をする。
手術中に 血管の中の芥が もし 脳の血管にとんだ時 脳梗塞を起こすかもしれぬ。
その時点はどの血管を検査中だったか、医師が把握をするため、患者には手術中に、何度か声をかけて、意識を確かめる。
全身に麻酔をしておれば不測の事態をたしかめることができぬからだと言う。
そのため医師は幾度とはなしに、私に様子を訪ねたり、今はこんな事をやっていす、、、と説明をして下さる。


いつも 手術台にのぼると、BGMを聴いたり、俳句を考えていた。
半身麻酔であるから、身体の痛みはないけれど、頭は働いている。
目を閉じていると、ガリガリと変な音がしたりはするが、暗い眸の中、闇の中に花火が散ったような光、そして 星のような煌めきが見える気がする。
俳句を作っていると、嫌な時間が経つのが早い。


それを手術中に句に詠んだ。


      🐢    無機質な手術室なり亀よ鳴け


そんな句も、、、


点滴の向うに何かが見える。云々。。。。
麻酔から覚めると青空、、、、 虹 入道雲 鳶の舞い、、
このような 正直な気持ちが病人には一番の感想と思うし、自分も点滴の落ちるのを見ていると早く終わらないかなぞと考える。
もう一歩踏み込んだ句でなければ、我が師には通じない。
やっと拾った 入院の句である。