よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

温室

温室。温床。フレーム。


ある、農業高校のフレームが道から見えたので近づいて見る。
広い農場になっていて、蒲鉾型のビニール布を張っているのもある。



ガラス張の立派な温室。
この温室の中には トマト が育っていた。
ガラスは曇っているところもあって、水滴がついていたりする。暖かそうな中が想像できる。



大きく育ち、食べれそう。美味しそう。
生徒さんが授業の一環として世話をしているのであろう。


     ☆    温室に時が許せばなほゐたし    山口波津女


> 今日のように寒い日は温室の中は天国と感じるであろう。
波津女は山口誓子の奥さんである。


    💌    フレームに野菜の声のしてゐさう


    💌    温室の窓とどめなき水の粒

ジャケット

ジャケット。ジャンバー。
防寒の短い前が開いている上着のこと。
ウール、ジャンバーなどには皮の製品も。


    ☆   まっすぐに日射すジャケッの妻の胸    藤田湘子


このジャケットは私の手製。
厚手の生地で裏はついていない。
袖はドルマン袖で、洋裁の初心者でも簡単に縫えた。直線縫いだ。
一応生地はイタリア製。
失敗が許されないので、気をつかった。愛用をしている。



     💐    ジャケットの胸に禁煙パイプかな


     💐    黄昏の街ジャズメンの皮ジャンバー


     💐    ジャケットをはほりナースの昼餉時


     💐    みるからに猫背ジャケッの後ろ影


去年今年


新しい年を迎え、目に映るものが、みな新鮮に感じる。
平常は何も変わっていないけれど、年の節目にあたって心に誓うこともある。
便利な季語と思う。


    ☆   去年今年闇にかなずる深山川    飯田蛇笏


> 甲斐の川を流れる川。
深い闇の中で川の奏でる音を聞いている。
今年も変わらない幸と豊作を願っているのであろう。


    💐    犬猫の僕となりて去年今年   葉七子


< 慎とな子の世話に夫婦してあたった。
可愛いが先の、この小動物達は家族の一員として、いやそれ以上に存在感がある。



    💐    運命の出逢いが外れ去年今年

< しりとり俳句 で「運」をつないだ。
神前で誓った「病めるときも健やかなときも・・・・・・」
そんな言葉は忘れてしまった夫婦が こんなはずじゃなかったと自嘲気味に。
それでも、昨日、今日、明日 と時は過ぎてゆく。


志度寺の正月。
参拝者に中にお遍路がまじっていた。
神戸からの遍路行脚。
除夜の鐘は、宇多津の郷照寺で聞いたという。
遍路には春夏秋冬は無い。人間はみな同じだ。
家におろうが、長い道を心に抱える愁いは表に出さず歩いている。
大いなる何かに助けられて生きている。


淑気


淑気。新年。
新年の季語。
新年を迎えた山河はみずみずしく、厳かな光に満ちている。淑気とは、荘厳にして清新な気配をあらわす。


    ☆    いんぎんにことづてたのむ淑気かな   飯田蛇笏


> ひらがなで書いているところが、生活に根ざした山国の主人の素朴さの優しさを表している。毅然とした俳人はここには存在しない。
明日からは山峡の暮らしが始まる。賀客と交わす言葉に淑気を感じた、そんな一こまであろうか。



志度寺の石庭。二日に訪れた。
亰都の竜安寺ほどではないけれど、いつ来てもこの庭は良い。
大な島に見立てのであろうか石の周りを波のような小石が縁取っている。
閑にでんと座っている。見ていると心が清んでくる。


    💌    石庭の大きなる宙淑気満つ


    💌    お成道一直線に淑気かな
                
今日は12日。少し日も経って、新しい年のめでたさも、日常の生活にながされてきた。
眼うらに浮かんでいる庭のことを遅ればせに記しておく。


冬暖

冬暖。 冬ぬくし。 暖冬。
冬に入っても暖かなな日に恵まれること。
冬でも日ざしが眩しい。おだやかな日和は嬉しいこと。


「日本の歳時記」から
    ☆   校庭に柵のぬけみち冬あたたか   上田五千


> 学校に抜け道のあるあたたかさ。ひらがな表記が効果的


今日の栗林公園で、撮った鳶であろうか、みさごであろうか?
悠々と公園をよぎって消えた。
カメラの素人にとって、飛んでいる鳥を撮るのは至難の業である。


先日、野鳥の会の方が電話をくれて、公園でみさごを撮ったと言っていた。
いることは、いるにちがいないから。。。。


今日はぽかぽかと暖かかった。
歳時暦による七十二候では「水泉動」
小寒がつい先日であった。
寒いけれど、小康といおうか、散歩をするには風も無く暖かい冬の日であった。


      🐇    蝮粉買ふ生駒山中冬ぬくし    葉七子



梅園には梅の花がちらほらと膨らんでいた。
珍しく、人影もなく静かな公園である。
近くの池の鴨の声が聞こえてくる。


    💌    冬暖かベンチに絵地図忘れあり


    💌    冬ぬくし鳥語を降らす大樹かな