よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

 囀り

            

囀。 囀る。鳥囀る。


春になると小鳥たちが繁殖期を迎える。その頃の鳴き声のこと。


    ☆    囀や春潮深く礁めざめ    加藤楸邨


> こんな風景を目のあたりにする場所がある。
檀ノ浦の崖の辺り、礁がごつごつとしている。まさにその場所で鶯が協奏曲を奏でる。
舌たらず、長鳴きをして声をひけらかす、高く 低く とまさに曲の練習をしているようだ。
それに合わせて波が礁に寄せては返しこれもやさしい音を奏でる。



    🐢    囀やサナトリウムの朝未だき

花の種

    

花種。物種。種売。種袋。種物屋。


昔から、農家では自家用の種は収穫の後、軒に吊るしたり、梁に吊るし、乾燥をして保存をした。
近年は、自家採取が少なくなり、農協、種物屋に依存をしている。


    ☆    釘箱から夕がほの種出してくる    飴山 實


> 農業のかたわら、手先の器用な人であろうか。
壊れた物の修理、日曜大工もこなす。
そうだ、夕顔の種を釘箱にしまっておいた。そろそろ蒔こうかな~。


        

   🐢    ポケットにピエロのくれた花の種    


遊園地で橋を渡っていると、ピエロが花の種をくれた。

チューリップ

    

子供が一番に描く花は チューリップ。
花の名前を知らない人でも、チューリップだけは知っている。


チューリップの代表的な花言葉は (博愛 思いやり)
トルコを原産とするこの花は、色によっても花言葉をそれぞれが持っている。


ピンクのチューリップは (愛の芽生え、誠実な愛)だそうな。


     🐢    くちばしのやうな芽を出しチューリップ

    

朧夜。谷朧。草朧。水朧。鐘朧。


春の夜、何もかもがぼんやりと煙るように見えることを「朧」と言う。
夜の霞である。しっとりと潤った大気中で起こる現象である。


    ☆    風呂の戸にせまりて谷の朧かな    原石鼎


> 山国での生活。外風呂を想像した。生活に実感として詠われている。


     🐢    おぼろよの源内さんが煙管吹く    


     🐇    月朧電車で渡る瀬戸の海    


     🐇    朧かな不夜城のごと救急棟    


磯遊び

      

磯遊び。磯開。磯祭。


旧暦三月三日の前後、大潮の頃、磯辺で一日を過ごす風習のこと。
潮干狩りの始まり。
いまでは行楽についてもこのように云う。


    ☆    空を航くごとく船見え磯遊    高田風人子


> 海原はるか霞んでいて、浮島日和。
船は浮いてまるで空を飛んでいるように見える。




   🐢    鬼ヶ島釣ろか掬をか磯遊    


     🌊    水好きな犬駆けまわる磯遊