よひらひらひら

自分だけの句を日記代わりに。

山藤

      


    🐢    山の藤望遠レンズに飛び込みく    


車が信号待ちで停車。
ふと窓の外をみる遠くの山に紫色をした藤の花らしいのが見えた。
望遠レンズで覗くとまぎれもない藤の花であった。
昨日見て、昨日のネット句会に出して選を仰いだばかり。

藤の花

          


   ☆    くたびれて宿借るころや藤の花    芭蕉


> あまりにも有名な芭蕉の一句。
晩春の物憂いけれど、お日さまの日差しはきつい。
一歩一歩、旅を棲みかとした芭蕉さん。
草臥れて足を投げ出したい時もあるであろう。
寒くもなく、暑くもないこの頃が病人は一番こたえる日々なのである。
私のように微妙な季節の変化を感じる者にはよく理解ができる。
芭蕉さんを病人扱いしているわけではないけれど、やっと今夜泊まる宿に到着をした。
安堵の気分が句になる、彼だってしんだい気分があるでしょ。


感覚的に捉えて、やっぱり芭蕉さんは名句を作るな~。


   🐢    藤波や棚に風鈴吊るしある

牡丹

             


    ☆    ぼうたんの茎しなやかに花支ふ    加藤耕子


> 花が女で茎が男性か。
花が男性ということはあり得ない。
ボタン科ボタン属の落葉低木の花。鑑賞用に世界中で栽培されている。
花王。花神。富貴花などと、いずれの名も花の中の花であるとの異名をほしいままにしている。
大輪の花を支えている茎。風が吹けば風の力を自然体でやりすごし、しずかに揺れている。
茎も花を支えるには相応しく太い。
妻である花を縁の下の力持ちの夫が茎のようだと鑑賞をした。まるで仲の良い夫婦ではないかなぞと。


    
       🐢     白日の牡丹少し疲れをり    


      🐇    牡丹の蘂蠢ひてをりにけり

蛙の目借り時

          


めかり時。めかる蛙。目借り時。
春も深まる頃、人は眠たくてたまらなくなる。
これは蛙が人の目を借りてゆくからであるという俗説。
俳諧味のある季語である。


    ☆    表裏なき枕蛙の目借り時    長谷川久々子


>  この時期は蛙の交尾期である。異性を求めて、鳴きたてる時でもある。
「妻狩る」「雌離る」から「目借り」と詠んだらしい。
枕と目借るとの取り合わせにエロチシムズがあるような気のする句である。
枕に裏表が無いとは、、、日本髪を結っていた頃の箱枕、夏の暑い時に使う陶の枕をを、思い出したけれど、、、理屈は抜いてサー、俳諧味のある句である。
昼間の疲れで神経がたかぶって眠りたいのに眠れないそんな夜もある。       


     🐰    検札を受ける蛙の目借時    


ここち良い電車の揺れにうとうととしていると、車掌がやって来て切符を見せてください。ああ、いやな車掌だこと。

 藍屋敷

    

 🐰   燕来る藍屋に残る龍吐水    


徳島県の藍住町にある藍屋敷。
かってこの藍住辺りは藍の栽培が盛んであった。
藍を育ててる農家の中には藍大尽と呼ばれるお屋敷があった。
今は高い固定資産税が払えなくて、町の文化遺産として活用うされている所もあるそうである。
観光客に開放をしているようだ。


そこへ訪れた際、燕が飛び交っていた。
龍吐水とは昔の火事場で使う火消道具。
消防ポンプのことである。大な屋敷であるから、もしものことに備え、門の庭にこれの用意をしていたのであろう。


        


観光客が藍染めの体験をするコーナーもあり、楽しい場所である。


    ✾    柿若葉甕の藍よく匂ふ風